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予算枠が拡大! SDGs・脱炭素に使える補助金・助成金

執筆者:小林孝嗣

公認会計士/㈱文化資本創研 代表取締役社長
国際文化政策研究教育学会 会員

㈱文化資本創研とは
サステナビリティ経営のための産学連携会社。
主な事業は、SDGs・脱炭素経営の実装支援、オープンイノベーション加速化事業、経済効果測定・データ分析。
大阪・関西万博2025への産学連携共同参画プロジェクトも展開。
京都大学含む10以上の大学・研究機関の教授・研究者と公認会計士・IRスペシャリスト・データアナリスト・プロダクトデザイナーなど実務のプロ集団が協働で企業のサステナビリティ経営の実装を支援している。
国際文化政策研究教育学会などと連携。 脱炭素経営促進ネットワーク (環境省) 支援会員

予算がSDGs・脱炭素対応のネックとなっている企業も多いかと思います。
実は、税制優遇措置と補助金をフル活用すると最大約8割引で設備投資できるケースもあります。

本コラムでは、政府が用意しているSDGs・カーボンニュートラル関係の補助金などを紹介します。

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目次

  1. SDGsとは
  2. 政府がSDGs・カーボンニュートラルを推し進める理由
  3. 主な補助金・助成金 ~カーボンニュートラル関係~
  4. 主な補助金・助成金 ~SDGs関係~
  5. SDGsのよくある質問

0. 初期投資圧縮イメージ ~最大約8割 初期コスト削減~

カーボンニュートラル・SDGsに係る補助金・税額控除をフル活用すると、約6~8割引で設備投資できるケースはたくさんあります。

また、グリーンファイナンスなどによる金利優遇のメリットや対外PRによる企業のイメージアップを考慮すると、実質コストがゼロとなるケースすらありえます


以下のコラムも併せてご覧ください。

テーマタイトルとリンク
脱炭素に係る補助金・税金優遇補助金と税制優遇のダブルで恩恵!低予算でできる脱炭素対応
脱炭素・SDGsに係る税金税金が減る! SDGs・カーボンニュートラル関係の税制優遇措置
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1. SDGsとは

(1) SDGsとは

SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、2015年9月に国連で開かれたサミットの中で世界の国連全加盟国によって採択された国際社会共通の目標です。

(出所) 国連SDGs公式サイト

このサミットでは、2015年から2030年までの長期的な開発の指針として、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。
この文書の中核を成す「持続可能な開発目標」をSDGsと呼んでいます。

知っておきたいSDGsの主な特徴は、以下の通りです。

  • 国連加盟国全193ヵ国が合意した目標
  • 発展途上国だけでなく、先進国も含めたすべての国に行動を求める世界全体の共通目標
  • すなわち、世界の共通言語であり、地域・世代を超えて対話できるコミュニケーション・ツール           
  • 目標年(2030年)具体的な数値も示した目標17の目標と169のターゲット)がある
  • 目標達成に法的義務はなく、取り組むか否か・その程度は各主体の判断に委ねられている
  • 国・自治体だけではなく、企業・その他の団体・個人のあらゆる主体が取り組むことが期待される
  • 「経済」、「社会」、「環境」の3つに関わる目標があり、同時両立による同時達成を目指す
  • 企業には、慈善活動・ボランティアだけでなく、本業の中で取り組むことが期待される

(2) SDGsの「17の目標」と「169のターゲット」とは

SDGsは「17の目標」と17の目標をより具体化した「169のターゲット」で構成されています。

(3) SDGsのよくある質問

お問い合わせいただくSDGsの質問のうち、まず最初に知っておきたい15のことを資料にまとめました。
ご興味がある方は、下記ボタンからご入手ください。

2. 政府がSDGs・カーボンニュートラルを推し進める理由

では、なぜ政府はSDGs・カーボンニュートラルを推し進めるために、補助金を設けているのでしょうか。

それは、国際社会の中で決めたルールを守る責務もありますが、SDGs・カーボンニュートラルによる変革が、”経済成長のために不可欠なカギ”、すなわち、”イノベーション創出を促すドライバー”と政府が捉えているためです。

(1) 政府がSDGsを推し進める背景

首相官邸の「持続可能な開発目標(SDGs)推進本部」における下記の「SDGsアクションプラン2021」では、政府がSDGsを推し進める背景が書かれています。

  • SDGsの文脈においても、革新的なイノベーションを活用し、規制改革などの政策を総動員することで、効率的・効果的に目標を達成することができる。SDGsが達成された、しなやかで強靭な、経済と環境の好循環のあるウィズ・コロナ、ポスト・コロナの時代を実現するには、社会全体の行動変容が必要であり、あらゆる関係者が一体となって取り組んでいく必要がある。
  • 世界が今、大きな変化に直面する中で、日本は新たな時代を見据え、未来を先取りする社会変革に取り組まなければならず、政府・企業・個人等それぞれの立場で変革への取組を始めることが不可欠である。これが国内のみならず国際社会の変革を支え、リードすることにもつながる。

すなわち、政府は、日本及び世界が望ましい未来を実現するためには、”社会全体が一丸となった行動変容”が不可欠であり、SDGsは”社会全体の行動変容のための切り札”と捉えています。
そのため、政府は、予算・税制・金融・規制改革・国際連携などあらゆるものを総動員してSDGsを押し進めているのです。

(2) 政府がカーボンニュートラルを推し進める背景

カーボンニュートラルとは、”二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量」から、森林などによる「吸収量」を差し引いて、合計を実質的にゼロにすること”です。

(出所) 環境省ホームページ

2020年10年26日に、菅総理大臣が2050年にカーボンニュートラルや脱炭素社会の実現を目指すことを宣言し、経済産業省が中心となって「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定しています。
2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」 で、下記のように政府が全力でカーボンニュートラルに取り組む背景が書かれています。

  • 温暖化への対応を、経済成長の制約やコストとする時代は終わり、国際的にも、成長の機会ととらえる時代に突入したのである。従来の発想を転換し、積極的に対策を行うことが、産業構造や社会経済の変革をもたらし、次なる大きな成長につながっていく。こうした「経済と環境の好循環」を作っていく産業政策が、グリーン成長戦略である。
  • 産業界には、これまでのビジネスモデルや戦略を根本的に変えていく必要がある企業が数多く存在する。他方、新しい時代をリードしていくチャンスでもある。大胆な投資をし、イノベーションを起こすといった民間企業の前向きな挑戦を、全力で応援するのが、政府の役割である。

すなわち、過去は気候変動対策は経済成長への足かせと考えられてきましたが、政府は、気候変動対策は”成長の機会”と捉え、「グリーン成長戦略」を打ち出しています
そのような国の動きに連動し、大胆な改革を行うチャレンジングな会社を後押しするため、政府は、予算・税制・金融・規制改革&標準化・国際連携などあらゆるものを総動員してカーボンニュートラルを押し進めているのです。

(出所) 「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」より当社が一部抜粋

3. 主な補助金・助成金 ~カーボンニュートラル関係~

次に、カーボンニュートラル関係の主な補助金・助成金を見ていきましょう。

(1) 主な補助金 ~脱炭素・環境省(令和3年度)~

環境省による脱炭素に関係する主な補助金(令和3年度)は、以下の通りです。

(出所) 「令和3年度(2021年度)脱炭素化事業一覧(環境省)」より当社が一部抜粋

オンサイトPPAによる太陽光発電・蓄電池の導入、駐車場・ため池・営農型の太陽光発電の設置、太陽光発電を設置したデータセンター(コンテナ・モジュール型データセンター含む)の新設・改修、ZEB(ゼロエミッションの建物)にかかる省エネ化改修工事など、補助金の対象は多岐にわたります。

なお、上表は、補助金制度の概要を一部抜粋したものです。
最新で詳細な各補助金に係る内容は、「令和3年度(2021年度)脱炭素化事業一覧」などを利用しご確認ください。

(2) 主な補助金 ~脱炭素・経済産業省(令和3年度)~

経済産業省による脱炭素に関係する主な補助金(令和3年度)は、以下の通りです。

CO2排出量ゼロの住宅(ZEH)、建物(ZEB)や水素ステーションの建設、自動車関係・蓄電池関係、水力発電・地熱発電・バイオマス発電など様々な補助金制度が設けられています。

なお、上表は、補助金制度の概要を一部抜粋したものです。
最新で詳細な各補助金に係る内容は、「エネルギー・温暖化対策に関する支援制度について★補助金等ガイドブッック★などを利用しご確認ください。

(3) 主な補助金 ~脱炭素・その他の省庁~

そのほかにも、国土交通省・農林水産省・総務省などでカーボンニュートラル関係の補助金があります。
詳細は、各省庁のホームページや「エネルギー・温暖化対策に関する支援制度について★補助金等ガイドブッック★などを利用しご確認ください。

(4) 主な補助金 ~脱炭素・自治体~

また、各自治体でもカーボンニュートラル関係の補助金があります。
詳細は、各自治体のホームページや補助金ポータルの「補助金・助成金・支援金をさがす」などを利用しご確認ください。

当社には、脱炭素に精通した経営革新等支援機関(公認会計士/税理士)が複数在籍しています。
脱炭素に係る補助金について詳しく知りたい場合や調査が必要な場合、お気軽にお問い合わせください。

4. 主な補助金・助成金 ~SDGs関係~

次に、SDGs目標に関係する主な補助金を見ていきましょう。

(1) 主な補助金・助成金 ~SDGs関係(脱炭素関係以外)~

脱炭素関係以外のSDGs目標に関係する主な補助金は、以下の通りです。
なお、SDGsを包括的に支援する国の補助金はありません。
したがって、各SDGs目標の達成のために資する補助金をご紹介します。

(出所) 「SDGs活用ガイド(環境省)」より一部抜粋&当社加筆

弱者の雇用開発、困窮する子供支援、女性の社会進出、地域活性化や海外進出による発展途上国の課題解決など、様々なSDGs目標に関係する補助金・助成金・交付金などがあります。
その他のSDGsに関係する補助金・助成金などは、「SDGs活用ガイド(環境省)」などを利用しご確認ください。

また、各自治体でもSDGsに関連した補助金があります。
詳細は、各自治体のホームページや補助金ポータルの「補助金・助成金・支援金をさがす」などを利用しご確認ください。

(2) SDGsが有利に働く補助金制度

SDGs目標に関係する補助金のほか、事業再構築補助金ものづくり補助金などの審査上SDGs・カーボンニュートラルの推進は有利に働く傾向にあります。

例えば、下記は事業再構築補助金の公募要領からの抜粋です。

≪政策点≫
① 先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、経済社会にとって特に重要な技術の活用等を通じて、我が国の経済成長を牽引し得るか。
② 新型コロナウイルスが事業環境に与える影響を乗り越えて V 字回復を達成するために有効な投資内容となっているか。
③ ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか。
~後略~

SDGs・カーボンニュートラルは国家戦略の一部であり、同関係は、経済社会にとって特に重要な技術といえ、他社との差別化に優位に働きます。
公募の際の事業計画でこのような観点をしっかり示すことにより、採択率を高める効果は十分にあると言えます。

SDGs・脱炭素を推進したい企業は、ぜひこれらの補助金なども活用し、予算枠を確保することで一層厚みのある取り組みにしていきましょう。

当社には、脱炭素・SDGsに精通した経営革新等支援機関(公認会計士/税理士)が複数在籍しています。
脱炭素・SDGsに関する補助金について詳しく知りたい場合や調査が必要な場合、お気軽にお問い合わせください。

5. SDGsのよくある質問

お問い合わせいただくSDGsの質問のうち、まず最初に知っておきたい15のことを資料にまとめました。
ご興味がある方は、下記ボタンからご入手ください。

いかがでしたか?

SDGs・カーボンニュートラルに使える補助金は無数にあります。
ニーズに合った補助金をうまく見つけて、税制優遇なども賢く活用し、経済性とのバランスを取りながらSDGs・脱炭素経営を一歩でも前に進めていきましょう。

当社は、公認会計士・CSRスペシャリストなどの専門家集団と大学教授などの学術研究者陣との協働による産学連携により、SDGsの研修・浸透、SDGs経営への移行を支援しています。
15分間無料相談などもしていますので、SDGsに関してお困りごとがあればお気軽にお問い合わせください。

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