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国のSDGs認証制度ってあるの? 自治体・国際認証機関によるSDGs登録・認証制度も紹介
SDGsの認知度が高まっている今、SDGsの取り組みを対外的にアピールしたいというニーズが高まっています。
本コラムでは、国のSDGs認証の有無について紹介した上で、自治体(都道府県・市町村)・国際認証機関による認証制度を紹介します。
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目次
1. 国によるSDGs登録・認証制度ってあるの?
現在、国(日本政府)が直接企業のSDGsの取り組みを評価し、登録・認証する制度はありません。
また、国連の正式な公認を受けたSDGsの取り組みの包括的な登録・認証制度もありません。
下図の通り、第三者機関等を通じた専門的・客観的な評価の上付与するケース(認証β)がありますが、基本的には国は直接SDGsの登録・認証はせず、地方創生SDGsに積極的に取り組む事業者等の「見える化」の仕組みづくりを支援するための地方公共団体のSDGs登録・認証制度に対するガイドラインを提供しています。
なお、国が公表しているガイドラインは、以下のようなものです。
地方創生の実現に向けては、SDGsへの取組を通じた官民連携のパートナーシップの構築が重要であり、今後、地方創生SDGsに積極的に取り組む地域事業者等における取組の「見える化」の必要性が高まることが想定されます。
そのため、地方公共団体における「地方創生SDGs登録・認証等制度」の構築を支援するために、国は本ガイドラインを作成しました。
なお、本ガイドラインについては、今後も地方公共団体、民間団体、住民、有識者をはじめ関係各分野からの意見を踏まえながら継続的に見直しを実施する予定とされています。
国による直接的なSDGs登録・認証制度がないことは紹介しました。
では、都道府県・市町村などの自治体や認証機関のSDGs登録・認証制度にはどのようなものがあるでしょうか。
2. 自治体によるSDGs関係の登録・認証制度
(1) 自治体によるSDGs関係の登録・認証制度の一例
都道府県・市町村によるSDGs関係の登録・認証制度には、以下のようなものがあります。
SDGsそのものの認証だけでなく、働き方改革や環境対応などに絞った認証など様々な登録・認証制度があります。
なお、上表はあくまで一例です。
そのほかの自治体でもSDGs登録・認証制度を設けている場合もありますので、各自治体ホームページなどをご確認ください。
(2) 企業におけるメリットとは
地方自治体によるSDGs登録・認証の効果には、以下のようなものがあります。
- 自治体関係の有利な融資・保険が受けられる。
- 事業を通じたSDGsに関する取組が登録・認証団体によって評価及び「見える化」されることで、SDGsを通じた地方創生への貢献度等が対外的に明示される。
- 域内外における企業の認知度向上に繋がり、金融機関からの融資機会の拡大や地方公共団体及び民間団体等との連携機会(ビジネスマッチング等)の拡大、人材の確保に向けた機会の拡大等が期待される。
- PR効果の向上による事業機会の拡大、入札時の加点(官公庁入札案件等)、他団体とのネットワーキングの機会の提供、地方公共団体及び業界団体等からの事業拡大に必要なスキル構築の支援の提供等が考えられる。
(3) 留意事項
自治体によるSDGs登録・認証制度はとても素晴らしいことです。
企業の皆様が積極的に登録・認証されることを何ら否定しません。
ただし、一部には非常に簡単に取れるものがあったり、簡単に取れることで自分の会社がSDGsに十分に取り組んでいるという勘違いから新たな取り組み促進を阻害することもありえます。
また、企業の取引範囲がその登録・認証を受けた自治体のみに限られている場合、効果はかなりありますが、顧客が日本全国又は海外の場合、地方自治体によるSDGs登録・認証ではなかなか評価されない傾向にあります。
そのような場合、次章で紹介する国際認証機関による認証の効果が期待できます。
3. 国際認証機関などによるSDGs関係の認証制度
(1) SDGsにも関連する主な認証制度一覧
SDGsを包括する国際認証機関による認証制度はありません。
ただし、SDGsの特定項目に関わる登録・認証制度はたくさんあります。
SDGsと関連性が高い主な認証制度は、以下のようなものがあります。
なお、国連が公認するSDGs認証制度はありません。
上表は、各認証制度の一番関連性が高いと判断されるものを紐付けたものであり、 各認証制度は複数のSDGs目標に関連しています。
(2) 主な認証制度 ~フェアトレード~
フェアトレードに関連する代表的な認証制度には、以下のようなものがあります。
詳細な内容は、別コラム「他社と差別化! 攻めのSDGs経営に使える認証制度」をご覧ください。
(3) 主な認証制度 ~水産物・海洋資源など~
水産物・海産物に関連する代表的な認証制度には、以下のようなものがあります。
詳細な内容は、別コラム「他社と差別化! 攻めのSDGs経営に使える認証制度」をご覧ください。
(4) 主な認証制度 ~農産物・加工食品・紙製品など~
農産物・加工品・紙製品などに関連する代表的な認証制度には、以下のようなものがあります。
詳細な内容は、別コラム「他社と差別化! 攻めのSDGs経営に使える認証制度」をご覧ください。
有機JASは日本での認証規格ですが、それ以外は国際認証機関による認証制度です。
自社の商品・サービスが上記の認証対象品目に関わる場合、認証により同業他社との差別化が期待できます。
また、顧客が特定の自治体に限られず、日本全国・海外の顧客をターゲットとするビジネスモデルである場合、これらの認証制度は非常に有効に働きます。
4. 同業他社事例のまとめサイト ~SDGs・脱炭素関係~
参考までに、同業他社事例が検索できる主なまとめサイトを紹介します。
(1) 同業他社事例まとめサイト ~SDGs関係~
SDGs関係の企業事例が紹介されているものには、以下のようなものがあります。
- 経団連 : Innovation for SDGs事例集 経団連によるSDGs事例集(目標ごとの事例検索可)
- GCNJ・IGES : SDG Industry Matrix
産業別の企業の取り組み事例(海外事例を含む) - 経産省 関東経済産業局 : SDGsに取り組む中小企業等の先進事例の紹介
- 経産省 近畿経済産業局 : 関西発SDGs貢献取組事例集
- 環境省 : SDGsへの挑戦~それぞれのきっかけからメリットまで!~
- 外務省 : 取組事例
- 農林水産省 : SDGsに関連する取組の紹介
- 農林水産省 : 「SDGs×食品産業」最新情報
- 林野庁 : SDGs×企業等の取組事例紹介
このうち、SDGs目標別では、経団連の「Innovation for SDGs事例集」が検索しやすいですし、その他、上記の経産省・外務省のサイトもよく閲覧されています。
また、様々な企業調査やランキングが公表されています。
下表はその一例です。
ランキング・アワード名 | 調査内容 | 直近の主な選定会社 |
---|---|---|
日経「SDGs経営」調査 (日本経済新聞社) | 事業を通じてSDGsに貢献し企業価値の向上につなげる取り組みをSDGs経営と定義。 「SDGs戦略・経済価値」「社会価値」「環境価値」「ガバナンス」の4つの視点から評価 | ≪総合格付け 星5.0個≫ ・ リコー(大賞) ・ キリンHD ・ コニカミノルタ ≪SDGs戦略・経済価値賞≫ ・ 東京海上HD ≪社会価値賞≫ ・ 資生堂 ≪SDGs戦略・経済価値賞≫ ・ キリンHD |
企業版SDGs調査 (ブランド総合研究所) | 各業界を代表する有力企業210社を対象に、SDGsへの取り組みやESGイメージのほか、好感度や購入経験、投資意欲、就職意欲などの企業評価について、一般消費者による評価を行い、それを数値化 | ≪総合ランキング上位5社≫ 1位 トヨタ自動車 2位 ユニクロ 3位 サントリー 4位 日清食品 5位 イオン |
ジャパンSDGsアワード (外務省) | SDGsの達成に向けて、優れた取組を行う企業・団体等を表彰。 最も優れた1案件を、総理大臣によるSDGs推進本部長表彰、その他の4案件程度を副本部長表彰 | 【本部長賞】 ・ みんな電力株式会社 【副本部長賞】 ・ 北海道上士幌町 ・ 特定非営利活動法人Support for Woman’s Happiness など |
外務省の「ジャパンSDGsアワード」は、中小企業も表彰されています。
中小企業も応募できますので、ぜひチャレンジしてみてください。
企業のランキングや調査結果の詳細な内容は、別コラム「ランキング・調査結果でみるSDGsの現在地 ~世界、企業、自治体、就活生、消費者~」をご覧ください。
(2) 同業他社事例まとめサイト ~脱炭素関係~
脱炭素関係の企業事例が紹介されているものには、以下のようなものがあります。
- 環境省 : 業種別取組事例一覧
- 環境省 : 脱炭素化事業(エネ特)活用事例集
- 環境省 : ひろがるカーボンニュートラル~トップが語る脱炭素~
- 経産省 : カーボンオフセットの取組事例
- 経産省 : 脱炭素化の方向性を持った具体的な取組事例集
このうち、環境省の「業種別取組事例一覧」は業種別に検索できますので、同業他社事例を検索するには利用しやすいです。
5. そもそもSDGsとは
(1) SDGsとは
SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、2015年9月に国連で開かれたサミットの中で世界の国連全加盟国によって採択された国際社会共通の目標です。
このサミットでは、2015年から2030年までの長期的な開発の指針として、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。
この文書の中核を成す「持続可能な開発目標」をSDGsと呼んでいます。
知っておきたいSDGsの主な特徴は、以下の通りです。
- 国連加盟国全193ヵ国が合意した目標
- 発展途上国だけでなく、先進国も含めたすべての国に行動を求める世界全体の共通目標
- すなわち、世界の共通言語であり、地域・世代を超えて対話できるコミュニケーション・ツール
- 目標年(2030年)・具体的な数値も示した目標(17の目標と169のターゲット)がある
- 目標達成に法的義務はなく、取り組むか否か・その程度は各主体の判断に委ねられている
- 国・自治体だけではなく、企業・その他の団体・個人のあらゆる主体が取り組むことが期待される
- 「経済」、「社会」、「環境」の3つに関わる目標があり、同時両立による同時達成を目指す
- 企業には、慈善活動・ボランティアだけでなく、本業の中で取り組むことが期待される
(2) SDGsの「17の目標」と「169のターゲット」とは
SDGsは「17の目標」と17の目標をより具体化した「169のターゲット」で構成されています。
当社は、公認会計士・CSRスペシャリストなどの専門家集団と大学教授などの学術研究者陣との協働による産学連携により、SDGs・脱炭素の教育・浸透、SDGs・脱炭素経営の推進を支援しています。
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本コラムは、一般的な情報を掲載するのみであり、特定の個人や事業体に具体的に適用される個別の事情に対応するものではありません。
本コラムの作成後に、関連する制度その他の適用の前提が変動する可能性もあります。
個別事案への適用には、本コラムの記載のみに依拠して意思決定されることなく、適用に関する具体的事案をもとに適切な専門家にご相談ください。