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SDGsと混同しやすいワード ~ESG・CSR・三方よしなど~
SDGsの関連では、ESG・CSRなど様々な類義語(キーワード)があり、それを一つ一つ理解し、違いを正しく認識するのは簡単ではありません。
そこで、本コラムでは、SDGsとよく混同しやすいキーワードを紹介します。
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目次
1. SDGsとは
(1) SDGsとは
SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、2015年9月に国連で開かれたサミットの中で世界の国連全加盟国によって採択された国際社会共通の目標です。
このサミットでは、2015年から2030年までの長期的な開発の指針として、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。
この文書の中核を成す「持続可能な開発目標」をSDGsと呼んでいます。
知っておきたいSDGsの主な特徴は、以下の通りです。
- 国連加盟国全193ヵ国が合意した目標
- 発展途上国だけでなく、先進国も含めたすべての国に行動を求める世界全体の共通目標
- すなわち、世界の共通言語であり、地域・世代を超えて対話できるコミュニケーション・ツール
- 目標年(2030年)・具体的な数値も示した目標(17の目標と169のターゲット)がある
- 目標達成に法的義務はなく、取り組むか否か・その程度は各主体の判断に委ねられている
- 国・自治体だけではなく、企業・その他の団体・個人のあらゆる主体が取り組むことが期待される
- 「経済」、「社会」、「環境」の3つに関わる目標があり、同時両立による同時達成を目指す
- 企業には、慈善活動・ボランティアだけでなく、本業の中で取り組むことが期待される
(2) SDGsの「17の目標」と「169のターゲット」とは
SDGsは「17の目標」と17の目標をより具体化した「169のターゲット」で構成されています。
(3) SDGsのよくある質問
お問い合わせいただくSDGsの質問のうち、まず最初に知っておきたい15のことを資料にまとめました。
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2. SDGsとよく比較されるキーワード
(1) ESG
ESGとは、”Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス/企業統治)”の略称です。
ESG投資とは、ESGの観点から企業の将来性や持続可能性などを分析・評価した上で、投資先(企業等)を選別する方法のことです。
ESGが重視されるようになった背景は、国際連合が2006年に「責任投資原則(PRI)」を提唱したことが挙げられます。
責任投資原則(PRI)とは、投資家がESG投資する際の投資基本原則(6つの原則)のことです。
2020年8月時点で全世界で3332の年金基金や運用会社等(日本では85機関)がPRIに署名しており、全世界における運用資産残高の合計は103兆ドルに達しています。
日本でも170兆円以上の年金資産を管理・運用するGPIFは2015年にPRIに署名しており、日本におけるESG投資は、2019年には3兆ドルに達し、2016年から3年で約6倍になっています。
ESGの詳細な内容及びSDGsとの関係・違いは、別コラム「ESGとは何か。SDGsとの違いとは」をご覧ください。
(2) CSR (企業の社会的責任)
CSRとは、「Corporate Social Responsibility」の略称であり、「企業の社会的責任」と訳されます。
企業は”利益を追求するだけでなく、環境・社会に及ぼす負の影響に対して責任を持つべき”との考え方です。
社会的責任の国際規格であるISO26000などで具体的なガイドラインが示されています。
CSRは、ステークホルダーに対して、社会課題への対応を通じて“ちゃんとした会社”であることの説明責任を果たす役割を担っています。
CSRの詳細な内容及びSDGsとの関係・違いは、別コラム「SDGsとCSRの違いとは?企業が取り組みたい”攻め”のSDGs経営」をご覧ください。
(3) CSV (共通価値の創造)
CSVとは、「Creating Shared Value」の略称であり、「共通価値の創造」と訳されます。
2011年にハーバード・ビジネススクールのマイケル・ポーター教授らによって提唱された”企業の事業活動を通じて社会課題の解決をしようというもの”であり、社会的価値(公共の利益)と企業価値(企業の利益)を共有し、両方の実現を目指していく競争戦略です。
CSVの詳細な内容及びSDGsとの関係・違いは、別コラム「SDGsとCSRの違いとは?企業が取り組みたい”攻め”のSDGs経営」をご覧ください。
(4) 近江商人の『三方よし』
「売り手よし、買い手よし、世間よし」で知られる『三方よし』とは、近江商人の経営哲学の一つで、「商売において売り手と買い手が満足するのは当然のこと、社会に貢献できてこそよい商売といえる」という考え方です。
近江商人とは、近江国(現在の滋賀県)に本宅を置き、他国へ行商して歩いた商人の総称で、大坂商人、伊勢商人と並ぶ日本三大商人の一つです。
『三方よし』の詳細な内容及びSDGsとの関係性は、別コラム「SDGsは『三方よし』を進化させた発信型『六方よし』」をご覧ください。
(5) 渋沢栄一の『論語と算盤』
『論語と算盤』は、渋沢栄一が行った講演を1冊にまとめた本で、「論語」は道徳・倫理を、「算盤 (そろばん) 」は利益を追求する経済活動を意味しており、”論語と算盤とは不可分で両立(道義を伴う利益追求)が重要であり、可能なことである”というのが渋沢栄一の基本的な考えです。
『論語と算盤』の詳細な内容及びSDGsとの関係性は、別コラム「SDGsは『三方よし』を進化させた発信型『六方よし』」をご覧ください。
(6) 稲盛和夫の『利他の心』
京都セラミック株式会社(現・京セラ株式会社)の創業者であり、2009年に経営破綻した日本航空(JAL、現・日本航空株式会社)をV字回復させた立役者である稲盛和夫の”より良い仕事をしていくためには、自分だけのことを考えて判断するのではなく、まわりの人のことを考え、思いやりに満ちた「利他の心」に立って判断をすべき”という考え方です。
『利他の心』の詳細な内容及びSDGsとの関係性は、別コラム「SDGsは『三方よし』を進化させた発信型『六方よし』」をご覧ください。
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